ネタバレ部は同化させてあります

以下ストーリー感想
大きく分けて3つに分岐
父や本家方丈の裏側を紐解くシナリオ1
はるみと晴子の姉妹を中心に置くシナリオ2
今日子とさやを中心に置くシナリオ3

シナリオ1は本筋で
2と3はまた別なものが明らかになる、という位置づけ

情報の提示は速すぎず遅すぎずで真相は読めてしまう、ということはないかと
殺人などの大々的なイベントはあまり起こらず
むしろひっそりと進む裏の計画に気づくことが出来るかが鍵

虐待を受ける息子や義姉
正体不明のゾンビのような男
元ボクサーの無職
腕っぷしの強いご隠居婆
などキャラ設定が濃く
ストーリー中でも「大人は汚い」や「争いの起こらない世界」など
それなりに現実味のあるネタがいくつか示されるため
推理とは別にそっちに頭を使うこともできそうです

元警察官のフリーターという主人公の立ち位置も独特
信念が折られてしまった後に
何を基準にして行動するのか？という点を突かれ
頭を悩ませる様子は個人的には好印象です

全てのキャラクターが全てのルートで密に関わるわけではなく
ある程度ばらつきがあるため
全てのキャラの関係を把握するためにも全クリする必要があると思われます

もうちょっと欲しかったなと思うのはキャラの掘り下げ
特に芳樹くんは強烈な二面性を持つ子供という設定がもっと行かせたのではないかなと
さやを奴隷に～というくだりもありましたし、そっち方面のCGも欲しかったですね
(でも芳樹くんピュアピュアだからエロ系にはならなかったかも？)

また、クリアしても謎が残るシナリオもいくつかあり
特に1はいきなり超展開なエンドであったため
そのままほっとかれてしまったのが本当に残念です


グラフィック感想
原画は本多強二先生
立ち絵が荒く見えるなど
気になるところがいくつかあります (参考)
また"髪が浮いてる"、"鼻がない"など突っ込みどころが多々あります

一方で何枚かのCGは非常に可愛いものとなっており
ムラの激しさを感じると思います

BGM/OP感想
OPはなんとボーカル曲
ゲームタイトルそのままの"the Black Box"という名前ですが
これが結構気合入ってます

the Black Box
作詞: 畑亜貴
作編曲: 藤田淳平
歌唱: 佐藤裕美
なんてマジなメンバーなんだ

— Climina→愛cute (@climina1019) 2016年3月6日

BGMは出番が少なかったこともあってあまり印象に残っておりません

システム感想
細かいところに着目しなければならない"自分で選択する"タイプのゲームなので
セーブスロットが90程度あったのは大きなプラス
全く困りませんでした

一方"自分で選択する"機能は気づきづらいところもあったりするので
攻略なしでクリアするのはかなり難しい部類に入るのではないかと

スキップは既読/未読共に備わっておりますが
シーンの転換の度にスキップが止まったり
未読スキップは選択肢を選ぶと解除されてしまうため
少々不便に感じるところもいくつかありました

以下総合評価
ストーリー 17/20 (直球の謎解きとしてはかなり楽しめる内容だと思います)
キャラクター 16/20 (最後まで裏を読めないキャラは楽しませてくれますね)
グラフィック 12/20 (バラつきがなければよりよかったのですが)
音楽 13/20 (OPの出来が非常に良いです)
システム 12/20 (一通りそろっている印象、スキップがネック)
コストパフォーマンス+ 120%

計　(17+16+12+13+12)× 1.2 = 84 (もっと知名度があってもいいのでは・・・)

以上でレビュー終了です

余談ですが、続編の"the Black Box2 -内臓-"なるものも予定されていたようです

終わり方が特殊だっただけにその謎を解明するためにも発売してほしかったですね