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青い涙 レビュー


シナリオゲー、泣きゲー、ママゲーなど数多くの噂を耳にする作品
ネタバレ部は同化させてあります

以下共通ルート感想
夢幻篇
ゆったりとした雰囲気
広々とした世界
優しい人達
まさに理想郷と呼ぶに相応しい空間
ちょっとしたいざこざやトラブルが起こってもうまくまとまり
日常へと戻るような人々の関係は"癒し"そのもの

ここまでなら雰囲気の良いゲーム、という括りで終わってしまいますが
この世界全体が"現実の逃げ場"であったということが明かされることで
その"傷"を現実で癒せなかった人々の苦しみが垣間見えるように

予想もできないアップダウンに翻弄されストレスを抱える人々に
夢幻のような空間をどのように設ける必要があるか、ということについて
しばらく考えさせられる展開でした

キャラとしては"他の事は何も気にしなくていい"というスタンスを貫き
長きにわたって勇介を育ててきたマナの言動1つ1つが
優しさを含みつつも深みを持たせてあり
心に残るセリフもいくつかありました


回想篇
そもそも深淵の発端はどこだったのか、ということに踏み込むお話
被差別民族という生まれた時から決められた運命を受け入れられないマノの姿は
世の不条理をそのまま体現しているようでした
セナの死によって更に追い打ちをかけられたマノが
母親すらも捨てて運命をひっくり返そうとするのは
若さによる衝動なども含めると不可避だったのかなと感じました

この回想篇でもう一つ注目するべきポイントはミルカ
知能に関してはあまり優れているわけではありませんでしたが
一途に息子の事を想う様子は母性愛の塊そのもの
親の心子知らずという諺がありますが
ミルカ視点で見ることでその言葉の意味を強く感じることが出来たと思います


以下各ヒロインルートの感想
彩/ユリ
学校のイジメとやらはかくも恐ろしきことか、と
イジメに耐えかねてと思ったらまさかの展開でした
ユリの絶望はどれほどのものだったのでしょうか・・・
なくしてから人は後悔するもの
自らの過去を悔やむ彩に「生きなさい」と告げるユリの言葉
ユリもまた彩を残してしまったことを悔やんでおり
双方が過去に区切りをつけ、前に進むという
大変重いですがプレイ後は前を向いていられるストーリーでした

現実的に解釈しようとすると
「死人と対話はできないから一方の思い込みによってその真意を探ることはできない」
等の問題が発生しますが
自分の人間関係を見つめ直し
つらいとき、苦しいときに誰を頼り
解決できなくとも回避できるようにするにはどう振る舞うか
そうした人の間の"絆"にもっと目を向けて生きよう
というメッセージ性を含んでいるように感じました


さえか
こちらでも現実と夢幻は対照的
夢幻の記憶によってさえかと対等に接し
彼女との関係を深めようとしていく
一方で彼女自身に降りかかる父親の受難
個人でできることの限界や"仕方ない"の弊害
を外部視点で描いており無力感を痛感させられるシーンもありました

彩/ユリルートに比べると現実に回帰した時点でははっきりと手遅れではないため
より一層及ばなかった、という印象が強かったですね
エンドではおそらく何度かの転生によって再び1つになったその後が描かれていますが
勇介がさえかを見送った後は夢落ち?※という認識となっていましたが
あやかのいる場所へそのまま飛んだのか
それとも勇介として現実の生を全うしたのか
また深淵に閉じ込められたのか
そうしたことも考えられたため
過程が抜けていたところが少々もったいなく感じました
※シエ/マナルート攻略により
エピローグ以前のものは全てシエによって作られた夢幻の一部という情報が示されたため
それを当てはめると夢幻/現実と区別がつき一応辻褄はとれそうです


晴子/もえみ
"若くして親となることの苦しみ"を乗り越えるストーリー
もちろん生まれ直すという概念の下晴子の行動を不可避であったと
結論付けることは少々乱暴であり
やはり親としての責任を甘く見てはいけない
自分の手段として子供を用いてはいけない
という一面をしっかり描いておりました

晴子に留まらず勇介の周りでも
静恵との親子関係を見つめ直すきっかけを与えるイベントがあったりと
"親子関係"というテーマからブレることなく1つの"あるべき関係"について
言及されていました


雪江
大人とは?子供とは?という問いの答えを見つけるお話
相変わらず現実に戻ってきてからのしばらくの行動は結構強引ですが
それを乗り越えた後の終盤
ストーカー遭遇からエンドに向けた流れの過程で
勇介の話す言葉の1つ1つが非常に前向きでとても強く印象に残りました

雪江のような"関係が希薄でどんな人だか知っていても関係を続けようとする"姿はとても痛々しく映り
"自分と合う/合わない"よりも更に低いハードルで取捨選択をしなければいけない現状を思うと
大変胸が痛くなりました

杉村はこのストーリーにおける"都合のいい人間"を体現しているようなキャラで
当てキャラのようにも見えましたが
勇介が一度杉村を純粋に信用するイベントを挟むことで
"ひどく汚れた大人"という姿を更に助長させ失望を増大させていました
こういう噛ませ方は好きです


シエ
マノ呪いの真実、シエが背負った呪い、街の少女、"青い涙"
等々明かされなかった謎要素が次々解明されます

回想をマノ視点で見る"真回想篇"で再び見ることになる親子の別れは引き裂かれるほどつらく
最後のエンドで静恵さんの話すセリフでもう一発大きいものをくらいました
シエルートのテーマはとにかく"情"
特に"親子"のつながりの大きさについて長い時間軸で重みを増幅させ
絶妙な設定によってすっきりした終わりを迎えることが出来ます

"情が移る"という言葉は否定的な意味でも用いられることがあるように
現代ではすべての情が必ずしもよいものと捉えられているわけではありません
ただ、情はある1つの人間のたどり着く理想郷であり
それを阻害するのは現代的なしがらみに他ならない
ということをプレイ後に感じました


マノ
シエルートで明かされる"造られた存在"という真実
ここでは残されたマナのその後を描いており
(おそらくシエルートで示されたように無事収まった後に)
マナと再会し、永遠の時をかつてそうしていたように歩む
マナが情に気づき自身の感情と向き合うシーンなど
こちらも見どころ多めです

マナははじめから赤髪だったというとんでもないネタが最後に待っていましたが
マノの影響で勇介も色弱?だとしたらもえみの髪は・・・とちょっと違和感が残ってしまい惜しいなと感じました


総評
落ち着いた雰囲気と母親の偉大さ、引き裂かれることの悲しみ、
それらを"情"という言葉を中心に展開させ
人が前を向いて生きることができるような作品として大変完成度の高い作品でした

共通の展開がヒロインごとに似ていたこと
個別ルートでもセリフが一字一句そのままなところもあったこと
を除けば特に言及するポイントはありません

主人公は18歳らしく真正面からぶつかっていく印象が最後まで強かったです
この清々しい程まっすぐな姿勢は年相応を思わせるナイスな設定だと思います


グラフィック感想
原画はMILKCOW先生
とにかくミルカ/マナのママさん'sの立ち絵が非常に良い
驚きや激昂を表す表情で瞳孔がずいぶん開くのは他のゲームであまり見られないかも?
CGはシエ/マナルート終盤の数枚で完全に持っていかれました
背景の塗りも美しく惹きこまれる世界が出来上がっていたと思います

BGM/OP感想
ボーカル曲"Blue Twilight"はテンポもゆったりとした夢幻を彷彿させるような曲
BGMはシリアスな部分や核心の部分で流れるBGMにぐっときました

システム感想
セーブスロットが30箇所
結構ストーリーが長めなのでだいぶ少なく感じました
せめて50は欲しかったかも・・・

スキップは通常のスキップに加え
繰り返しプレイ用に
章(回想篇、深淵篇、回帰篇)を丸ごとスキップする機能があり
大変周回プレイでお世話になりました

以下総合評価
ストーリー 19/20 (一貫した情の概念に泣かされました)
キャラクター 18/20 (ミルカママ)
グラフィック 17/20
音楽 14/20 (雰囲気づくりのうまいBGM)
システム 13/20 (セーブがもう少し多ければ・・・)
コストパフォーマンス+ 120%

計 (19+18+17+14+13)× 1.2 = 97

以上でレビュー終了です
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