リアライズ レビュー
ネタバレ部は同化させてあります
以下ストーリー感想
個別というよりほぼ一本道
ですが、読みやすく重々しい話でした
"エゴ"が主題となっていますが
リアライズのように具現化していなくとも
現実世界において"エゴ"は個人の内に存在し、力によってぶつかります
敗れた方の精神(自身を支えていたエゴ)が崩壊するところまでリアリティがあります
まさに現実で若者がぶつけ合う"力"そのものですね
若いうちは自分はこうだ、という自我が強く他人とそれが顕著にぶつかります
その際決着は多くの場合何らかの"力"の強弱によってつけられ、取り返しがつかなくなることもあります
また、この"力"を持つ者が持たない者を力量差によって
駆逐や洗脳を行うなどといったゲーム中の描写はそのまま現実世界へ投影できそうです
八重のような"受け入れる"という選択に至るまで彼女は何を見てきたのでしょうか?
修二が自らそうしようとしたきっかけはどのようなものだったんでしょうか?
(PC版しかプレイしていないためPS2版でどうなったかわかりません)
そうしたものの不透明さに加え
最後の終わり方が唐突だったことも驚いたポイント
ただ、最後に関しては
あえて現実に投影しやすいこのストーリーに明確な結末を設けず
この状況がどう進んでいくのかをプレイヤー側に広く考えさせるために
あえてそうしたのではないかと思ってまs
ここからは特に印象的だなと思ったことをいくつか
(1)亮の揺れ動き方
何の前触れもなく力を与えられた亮が何を信念として、どのように振る舞うか
それを決めるための"モノサシ"が八重や修二、蛍などの間でフラフラする様子は重みがありました
はじめは力を持っていた八重の言葉をそのまま受け止めていますが
その後修二が違う考えを持っていることや
蛍の回答
さらに春秋の介入によって"亮"自身がどうあるかを問われていく過程は丁寧でした
悩む描写が多い、と捉える人もいたようですが
ぼくは青春真っ盛りな若者として特に変な感じはしませんでした
(2)聡子、奈緒美の振る舞い
ゲーム序盤で八重のエゴに触れ、それにすっかり心酔(洗脳)されて手足となって動いていた2人
"○○は絶対だ、それを邪魔するものは排除する"
という一貫したそのスタイルはどこぞにいそうな異常なまでに宗教に固執する過激派の方々に似てるなと思いました
やはりどんなによさそうなものでもそれを強要する形はよいものではありませんね
グラフィック感想
キャラデザはLeafでおなじみの水無月先生
八重の立ち絵はパッケージを手に取った時から"可愛い"とは違った印象でした
全体的にも倫や蛍が"可愛い"一方で
沙耶のように"何もない"表情も描かれており
キャラごとの個性の差が際立っていました
BGM/OP感想
ボーカル曲はなし
ですが戦闘シーンなどの曲をはじめとした
BGMとしての良曲はいくつかあります
システム感想
セーブが20箇所しかない点以外は文句なし
特にスキップの速さは何周もする部分で大変助かりました
ちょっと速すぎて通り過ぎてしまうところもいくつかありましたが・・・
バックログは画面いっぱいではなくメッセごとにたどる形式
ちょっと流れを見返したい時には面倒に感じるかもしれません
以下総合評価
ストーリー 15/20
キャラクター 18/20 (攻略対象、とかそういうのではなく濃い面々が多かったです)
グラフィック 13/20
音楽 11/20
システム 14/20
コストパフォーマンス+ 115% (エンドは人を選びそうです)
計 (15+18+13+11+14)× 1.15 = 82
以上でレビュー終了です